暑中見舞いの贈り物のマナー

御中元、暑中見舞い、残暑見舞いと、日本には昔から夏になると贈り物や挨拶状などを送るという習慣がありますが、これらの習慣も現代では、夏の挨拶・会社での社交辞令という考え方が強くなっています。

 

時節の挨拶や贈り物、冠婚葬祭に関するマナーは慣れない方にとっては頭を悩ませるものですが、暑中見舞いに関してもいくつかのマナーがあります。

 

まず暑中見舞いの贈り物のマナーとして最も気を付けなければならないのは、贈り物をする時期です。
一般に、暑中見舞いは二十四節季の大暑から立秋までとされていますが、地方によっては土用から立秋、小暑から立秋、梅雨明けから立秋と若干の違いがあります。ここは配送にかかる期間も考慮して、贈られる側の地域性も頭に入れておきましょう。
暑中見舞いの時期を逃すと残暑見舞いとして贈ることになります。

 

次に、贈る品物選びにも注意が必要です。
暑中見舞いは夏の最も暑い時期に贈るものなので、生ものは避け、季節感のあるお菓子や飲み物・フルーツ・洗剤などの日用品が一般的となっています。涼しそうなゼリーや清涼飲料、ビールなどもいいかもしれません。
目上の方や上司へ贈られる場合は、家族で分けられる個包装の洋菓子や定番のビールなどの酒類が良いでしょう。
品物選びに困ったら、ギフト券や商品券を贈っても喜ばれます。また最近では、受け取った相手が品物を選べるカタログギフトを贈られる方も多いようです。相手に失礼のない範囲でカタログギフトのような便利なシステムを利用すると良いでしょう。
お中元を贈った相手に暑中見舞いも贈る場合は、品物が同じにならないように気を付けましょう。
ちなみに、暑中見舞いの贈り物の予算としては3千円から5千円が相場のようです。

 

贈り物には紅白蝶結びの熨斗をつけ、「暑中御見舞」の表書きで用意します。通常、手渡しの場合は外のし、郵送で送る場合は内のしです。
訪問先で直接贈り物を渡す際には外袋から出し、正面を相手に向けて渡すのが礼儀となっています。

 

暑中見舞いは、夏の暑い時期を互いに訪問する事で、無病息災を願い互いに感謝しあう伝統行事です。暑い季節に気持ちの良い挨拶となるように、暑中見舞いのマナーや注意点を確認しておきましょう。